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樹状細胞ワクチン療法の開発の歴史

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樹状細胞ワクチン療法の歴史

樹状細胞ワクチン療法の歴史は、1973年にラルフ・スタインマン博士によって発見された免疫細胞が、「樹状細胞」と名付けられたことに端を発します。スタインマン博士により、樹状細胞が敵の目印(がん抗原)をほかの免疫細胞に伝える抗原提示能力に優れていることが明らかにされたことで、樹状細胞を用いた、さまざまな治療法が研究・開発されていきます。

1980年代になると、患者さんの体からT細胞やNK細胞といったリンパ球を採取し、体外で培養・強化したのちに体内に戻す免疫細胞療法が盛んになりましたが、樹状細胞を使った療法も行われるようになりました。

近年になって、最先端の治療法として「樹状細胞ワクチン療法」が登場しました。患者さんから採取した細胞を元に培養した樹状細胞などに、がん抗原の情報を教えて強化し、再び患者さんの体内に戻す樹状細胞ワクチン療法は、次世代の治療法として一躍注目を浴びるようになったのです。

樹状細胞ワクチン療法の現状

ペプチドワクチン治療と並ぶ、がんワクチン治療として期待されてきた樹状細胞ワクチン療法ですが、双方ともいまだ標準治療として認可されるにはいたっていません。
その背景としては、下記のような点が挙げられます。

樹状細胞ワクチン療法は、患者さん自身の免疫力がある程度維持されている初期の段階や、手術療法、放射線療法といった標準治療によってがんが縮小・消失した状態で、より効果を発揮すると考えられていますが、実際には再発・転移など難治性のがん患者さんに用いられることがほとんどです。

また、副作用が少なく、QOLを保ちながらの延命が期待される樹状細胞ワクチン療法ですが、従来の評価基準である腫瘍縮小効果という点においては評価されにくいという課題も抱えています。
ワクチンを打ってから、免疫細胞が活性化され、効果が表れるようになるまでに時間を要することも、臨床試験において治療効果を証明する上で不利になる点として指摘する声もあります。

さらには、これらの課題にも深く関わっている、がんによる免疫抑制の働きについても近年明らかになってきています。免疫には自分の体を攻撃しないようにするブレーキ機能がありますが、がんはこのブレーキ機能を利用して、免疫に本来の働きをさせないようにする免疫抑制を働かせます。樹状細胞が免疫細胞を活性化させようとしても、このがんの免疫抑制が阻んで、樹状細胞ワクチン療法の治療効果を限定的なものにしてしまうのです。

樹状細胞ワクチン療法は、こうした課題と向き合いながら、患者さんにとって身近な治療法、つまりは公的に認められた標準治療となるべく、一歩一歩着実に道を歩んでいます。

今後の樹状細胞ワクチン療法

手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3大標準治療に続く第4の治療法として注目を集めながらも、樹状細胞ワクチン療法はなかなか日の目を見られずにきた感があります。しかしながら、このような新しい治療法を評価するための新しい基準の必要性が検討されたり、抗がん剤や放射線による標準治療に加え、ほかの免疫療法との併用が試みられたりするなど、新しいステージを迎えようとしています。

がんによる免疫抑制を解除する次世代の治療法の開発が進むなか、それらの治療法との組み合わせにも関心が高まっています。まだまだ越えるべきハードルはありますが、樹状細胞ワクチン療法がその特性を活かし、より効果的な治療法として、患者さんにとって当たり前の選択肢となる日が待ち望まれています。

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