がん免役療法 がんワクチン治療・樹状細胞ワクチン療法なら

免疫療法・がん治療に関するニュース

2014年10月3日分子標的薬に対する耐性についてスパコンが予測

~ 肺がんの分子標的薬について最適な治療薬の選択 ~

 がん研究会がん化学療法センターは、肺がんの分子標的薬と呼ばれる抗がん剤に対して、効かなくなるかどうかを予測するシステムを開発した。肺がんは腺細胞から発生する腺がんが約6割を占め、若年者やたばこを吸わない人でも多く発症している。日本においては最も発生頻度が高く、男性の肺がんのうち約4割、女性では約7割程度が腺がんである。

 がん細胞は、細胞表面にあるチロシンキナーゼという酵素に、アデノシン3リン酸(ATP)と言われる物質が結合することでエネルギーを得て増殖する。肺がんの分子標的薬であるクリゾチニブ(ALK-TK阻害剤 商品名:ザーコリ)は、細胞表面にあるチロシンキナーゼに結合し、ATPとの結合を阻害することでがん細胞の増殖を抑える。しかし、治療を始めてから8~10カ月を過ぎると、酵素の遺伝子が変化することで分子標的薬が結合できなくなり効果が落ちてしまうケースが多いと言われている。

 このシステムは、理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」を活用して、酵素の遺伝子が変化するパターンを推定すると共に、分子標的薬が酵素に結合する強さを予測した。また、この予測により結合が不安定になると分子標的薬が酵素から外れやすくなることで効果が落ちることを解明した。

 今回の結果から、2014年7月に国内で承認されたアレクチニブ(商品名:アレセンサ)は、クリゾチニブが効かなくなった耐性がんについても一定の効果を認めるが、長期間投与し続けると効果が落ちる可能性が予測された。一方、国内では未承認のセリチニブ(商品名:ザイカディア)は、長期間投与し続けても効果が落ちる可能性は低いと予測された。

 今後、手術などでがんの組織を取り出して酵素の遺伝子を調べれば、どの分子標的薬による治療が適切かを予測できるようになるため、最適な治療薬を選択するのに役立つと期待が寄せられている。

お問い合わせ・資料請求/医療相談ご予約